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TikTokも禁止!?米中対立の深刻化!~為替はどうなる!?~

米中貿易摩擦以降、米中の対立はますます深まっています。
先月は領事館閉鎖の応酬という稀に見る事態に発展しました。また、8月には中国企業が運営する動画アプリTik Tokの米国でのサービス停止が議論されています。

今回は、足元で起きている米中の対立の事実を整理し、それに対するマーケットの反応を確認、今後の為替相場の見通しについて考えていきます。

足元の事件の整理

領事館閉鎖

日本の4連休中 7月24日アメリカのヒューストンにある中国総領事館が閉鎖されました。理由は、ヒューストンの中国領事館は医療研究等の知的財産を盗み出す拠点であると、米国が考えたからです。

このヒューストンの中国総領事館閉鎖に際してポンペオ国務長官は、中国共産党と自由・民主主義国家を明確に対比させ、「自由主義の世界は独裁体制に勝利しなければならない」と強硬姿勢を前面に出した演説をしました。

これに対して中国は7月27日、成都の米国総領事館を閉鎖するという報復措置をとりました。過熱した様相の両国ですが、「成都(せいと)」の総領事館を閉鎖させたことから、中国は本件に関して、本気の競り合いを好んでいないとの見解もあります。

中国にある米国の出先機関は北京のアメリカ大使館以外に6つの領事館があります。

上海、広州、武漢、瀋陽、香港、成都の6つです。

米国にダメージを与えるのであれば、上海や香港総領事館を閉鎖するはずです。
なぜなら上海・香港の両総領事館は在中の米国人の生活を守ることが主な業務だからです。

一方、成都は従前チベットなど近いことから人権に係るウォッチ、インドと中国の対立状況を米国に伝える業務を主に担っていた拠点です。

こうしたことから、香港、上海ではなく、成都の総領事館を閉鎖したということは、「やられたら、相応に応酬するという姿勢」を示すと同時にポンペオ国務長官の演説への報復をしただけで、中国は米国との全面闘争を希望するわけではないと理解することができます。

Tik Tok大ピンチ!米国でのサービス停止を巡る動き

加えて、近時は動画共有アプリTik Tokの米国でのサービス停止が議論されています。

これは、顔写真、住所、氏名などの個人情報が、Tik Tokの運営会社「バイトダンス社」を通じて中国政府に利用されるのではないかと、トランプ大統領が考えたからです。

トランプ大統領はTikTok利用を米国内で禁止する方向で検討している

現状、この動きに対して中国政府は目立つ動きをしていません。
ファーウェイ排除の時と今回のTik Tokとの中国政府の対応には大きな差異がみられます。

これは、「ファーウェイは33年の歴史があり、かつ中国のモバイル技術革命を支える携帯電話基地局を構築し、間接的に大勢の工場労働者を雇用しているのに対し、TikTokを運営するバイトダンス社は新興企業かつ、世界の通信網に組み込まれるような重要なパーツを製造している会社ではないから」と、中国ハイテク産業の幹部はイギリスの新聞ファイナンシャルタイムズ紙に語っています。

為替相場の反応

領事館閉鎖など米中の関係悪化を背景に、事件当事者の国の通貨である米ドルを一旦手放し、そのほかの通貨に資金を動かす流れがみられました。
7月24日の米ドルは1ドル106円前半まで円高が進行しました。
その後もドル売り円買いが進行、30日には104円台をつける局面も見られました。

7/24〜7月末の米ドル円チャート

ドル売りの受け皿となったのは円だけではありません。ユーロ/ドルのチャートを見ると、ユーロ高ドル安が勢い良くすすんでいることが分かります。

欧州連合(EU)は7月21日、新型コロナウイルス対策として、7500億ユーロ(約92兆円)規模の復興基金案に合意しました。これを受けて米国よりも欧州の方が景気回復が速いのではないかと連想した投資家がドルを売ってユーロを買い、このようなチャートになったと推測されています。

ここ数年南欧諸国の財務の悪さが印象的であった欧州の通貨ユーロが今、強さを発揮している状況はとても新鮮に見えます。

バイデン氏の中国に対する姿勢

中国への強硬姿勢は、米国大統領選の一つのパフォーマンスの様相も帯びてきています。
トランプ政権は、領事館閉鎖やTik Tokを巡る一連の動きから分かるように、非常に強い姿勢で中国に臨んでいます。得意の経済面で近時目立つ成果があげられていないこと、新型ウィルス感染拡大への対応の悪さから国民の目を背けることがその狙いとも言われています。

では、もう一人の大統領候補、バイデン氏の中国に対するスタンスはどのようなものなのでしょうか?
バイデン氏も中国に対しては強い姿勢です。彼は、中国に対するトランプ大統領の態度について「米国第一を掲げて同盟関係を軽視している」として非難しているます。

加えて、民主党であることから、「人権問題」についてはトランプ氏以上に厳しい態度で臨むことが予想されます。
従って米国単独で特定の企業に向けて矛先を向けるような行為ではなく、同盟関係や人権問題を前面に出した戦い方をすると思われます。

為替相場の今後の見通し

当面は「ドル売り」の流れが継続し、円やユーロが買われる展開が継続すると思われます。現状、大統領選は民主党のバイデン氏が優勢です。保護貿易を志向する⺠主党は伝統的にドル安円高を主張していることも記憶にとめておきたい事実です。
この流れが反転するタイミングとしては、

  • ⽶国における新型コロナ感染が収束に向かう
  • 失業率の顕著な改善、⽶国経済の強さが確認される

等が考えれられます。

また、「2000年以降を振り返ると、⼤統領選選挙後はドル高円安が進む傾向がみられる」とする調査もあります。

岡三アセットマネジメントのHP「ストラテジストの眼 ⾜元の「ドル安」はいつまで続く︖」 P2

仮にドル安志向の民主党バイデン氏が勝利したとしても、11月の大統領選がドル高基調への反転のタイミングになりうることも過去のデータからは推察されます。

当面続くであろうドル安に賭けるか、反転のタイミングを狙っていくか、それともユーロ/ドルに参戦するのか・・・。いろいろな戦術が考えられるこの相場です。皆さん腕を振るって、それぞれのFXライフをお楽しみください!

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かみきち
執筆者:かみきち
金融、証券業界に20年以上従事。 様々な相場をリアルタイムに経験してきているマーケット村の住人。 講師経験も豊富。