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イギリスが発端?パレスチナを巡る不安な中東情勢

中東戦争の原因となったイギリスの三枚舌外交

現在、中東地域は世界の中で不安定な地域の一つとなっています。
どうして、この地域は不安定な地域となってしまったのでしょうか?

その原因はイギリスが第一次世界大戦中に行った三枚舌外交にありました。

歴史は第一次世界大戦のころまで遡ります。

第一次世界大戦のころ、中東地域はオスマン帝国が支配していました。

オスマン帝国と戦っていたイギリスはオスマン帝国の中東支配を崩すため、アラブ人とユダヤ人に接触します。

アラブ人とユダヤ人はオスマン帝国内に暮らしており、両民族ともオスマン帝国に対する不満や民族意識の高まりが始まっていました。

汎用2 アラブ人
独立したいなぁ・・
イギリス イギリス
オスマン帝国なんて辞めちゃえよ!俺らが味方になってやるよ。第一次世界大戦が終わったら、独立を認めてあげる!だから一緒にオスマン帝国と戦おう!

独立の約束を取り付けたアラブ人はオスマン帝国に対し、反乱を起こしイギリスに協力します。勝てば独立です。
アラブ人はオスマン帝国の重要拠点の制圧に成功し、そこに臨時政府をおきます。独立への第一歩です。

イギリスとアラブ人のこの約束を「フサイン=マクマホン協定」といいます。


しかし、翌年。
イギリスは大戦の同盟国であったロシア・フランスと協議します。

イギリス イギリス
なぁ、フランス・ロシアよ。
世界大戦に勝利したらオスマン帝国を分割するぞ。分割した後は、俺たち三ヶ国でそれぞれ統治しよう!

イギリスはアラブ人に独立を認める約束をしていたはずですが、対戦同盟国に対しては分割してそれぞれの国が統治するという約束をやっていたのです。

イギリス・フランス・ロシアで結ばれたこの約束を「サイクス=ピコ協定」といいます。

アラブ人はこの時、これを知る由もありません。


さらに翌年。イギリスはユダヤ人に接触します。
当時ユダヤ人はヨーロッパ諸国で迫害を受けており、元々多くのユダヤ人が住んでいたパレスチナ地域に独立国家を作りたいという願望が大きくなっていました。

ユダヤ人
故郷のパレスチナに自分たちの国家を作りたいなぁ。
イギリス イギリス
作ればいいじゃん!俺らが認めるよ!約束する!そのかわり、ちょっと資金援助を頼むね!

イギリスはユダヤ人に対して国家設立を認める約束を行い、その対価として裕福層が多いユダヤ人から資金援助を受けたのです。

ユダヤ人の裕福層として世界一有名なのは・・・

そう、「ロスチャイルド」ですね。
イギリスはロスチャイルド家の支援を受けることが目的でした。

このイギリスによるユダヤ国家設立を認める約束を「バルフォア宣言」といいます。


そして、第一次世界大戦が終結。
勝利したのはイギリスをはじめとした連合国側でした。

ここで、イギリスが交わしてきた約束を振り返ってみます。

フランス・ロシアオスマン帝国の分割。分割後は3ヵ国で土地を分けて統治する約束。
アラブ人独立を認める約束
ユダヤ人パレスチナでの国家設立を認める約束

この3つの約束をしたイギリスでしたが、フランス・ロシアとの約束を優先させ、アラブ人・ユダヤ人との約束は先送りとなってしまいます。

ユダヤ人の独立

第一次世界大戦後、フランス・ロシアとの約束を優先したイギリスはオスマン帝国を分割します。

アラブ人は、臨時政府を設立していましたが、連合国による協議の結果、独立は叶いませんでした。つまり、イギリスとの約束は守られなかったという事です。

また、パレスチナ地域はイギリスが統治する事となり、各地域に散らばっていたユダヤ人達はイギリスとの約束を期待して、どんどんパレスチナへ戻ってきました。

ただ、ユダヤ人の数が増えるに従い、もともと住んでいたパレスチナ人との衝突が見られるようになります。

衝突が繰り返される中、ユダヤ人の国家樹立は一向に進まず、第二次世界大戦が始まります。

1930年代にヨーロッパでナチスによるユダヤ人迫害が起きると、ユダヤ人のパレスチナ入植者は増加しました。

第二次世界大戦が終結した後、イギリスはパレスチナを放棄します(!)
ユダヤ人とアラブ人の対立を抑えられず、イギリスだけの力ではどうにもならないと判断し、その問題を国連に丸投げします!

国連が出した答えは・・

パレスチナの分割です。

しかし、分割の方法に問題がありました。
パレスチナに住むユダヤ人はパレスチナ全体の三分の一。
しかし、国連はユダヤ人にパレスチナの50%以上の土地を与える。と決定したのです。

こうして建国されたのが、「イスラエル」です。

中東戦争

これに、エジプトやシリアなどのアラブ諸国連盟は猛反発。

アラブ諸国連盟
エジプトを中心として、イラク・ヨルダン・サウジアラビア・イエメン・シリア・レバノンを加盟国として、アラブ人の独立を支援するためにつくられた国際組織。

汎用 アラブ連盟諸国
パレスチナに住んでいたパレスチナ人(アラブ人)の居住区を分割させてたまるか!
しかもほとんどがユダヤ人に取られるじゃないか!

と、イスラエルに侵攻します。(第一次中東戦争)
イスラエルはイギリスやアメリカの支援を受けており、十分な戦力を持っていたため、アラブ諸国連盟に勝利します。

その後もアラブ諸国連盟とイスラエルの対立は収まらず、第二次・第三次中東戦争が勃発します。
しかし、その戦争もイスラエルが勝利する結果となりました。

1973年10月に起きた第四次中東戦争ではアラブ諸国連盟の中心であるエジプト軍の奇襲攻撃により、イスラエルが劣勢となりましたが、結果はイスラエル側の勝利となりました。

中東戦争後のパレスチナ問題

第四次中東戦争ではじめてイスラエルと対等に渡り合ったエジプトですが、戦争による経済的な負担は大きく事態打開の必要性が生まれていました。

1977年11月、エジプト大統領はイスラエルを電撃訪問し、和平交渉の開始を宣言します。1978年9月、イスエラルとエジプトは平和条約に調印し、関係は改善します。

しかし、この問題はイスラエルとエジプトだけの問題ではありません。
イスラエルと対立していたアラブ連盟と他に、パレスチナ解放機構(PLO)という組織がありました。

パレスチナ解放機構(PLO)
イスラエルによって占領されているパレスチナ人の解放を目ざす武装組織。当時のトップは「アラファト」議長。

パレスチナ解放機構 アラファト議長 写真提供元

PLOは第四次中東戦争が終わった後も、イスラエルに対して攻撃を仕掛けていきます。

1987年以降は、女性や子供など武器を持たない民衆が投石などでイスラエルに抵抗する活動が行われるようになると、国際世論がパレスチナ人に同情的となりイスラエルは対応に苦慮します。

アラブ連盟・PLOからの絶大な支持を受けているアラファト議長は、国際世論も味方につけ、ついに国連総会へ乗り込みます。

パレスチナを巡る和平のため、アラファト議長は国連総会でイスラエルの存在を認める演説を行い、攻撃の停止を宣言します。アラファトはイスラエルに対し、パレスチナの78%を譲る代わりに、ヨルダン川西岸とガザ地区にパレスチナ人国家を作ることを提案しました。

1993年、イスラエルとPLOが話し合いを行い、1994年にパレスチナ暫定自治協定が結ばれ、PLO中心のパレスチナ暫定自治政府が成立します。

これで中東和平が進展するかと大いに期待が膨らみました。

ところが、イスラエルの首相が暗殺され、パレスチナ側でも和平に反対する勢力を拡大したことから交渉は暗礁に乗り上げてしまいました。2000年代に入っても対立は変わらず、中東和平は難しい状態が続きます。

トランプ政権の中東外交と新たな和平の動き

2017年に発足したトランプ政権は、オバマ政権時代のバランス重視の中東政策を大きく変更しました。

トランプ政権は中東の紛争から手を引き、同盟国であるイスラエルへの支援を強化するというものです。

2020年8月、イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)の国交正常化が発表されました。どうして、急にそんなことが起きたのでしょうか。
国交正常化の背後にあるのは、両国共通の敵であるイランの存在です。

イランはイスラエルと、イスラエルを支援するアメリカの双方と激しく対立してきました。

また、石油をめぐる利権でも対立関係にあります。
イスラエル、アメリカ、UAEの3国は共通の敵であるイランに対抗するため手を結んだといってよいでしょう。

トランプ政権にとっては外交的な成功とアピールする材料となりました。

といっても、これで中東和平が実現すると考えるのは気が早いと言わざるを得ません。肝心のイスラエルとパレスチナ人の完全な和平が成立していないからです。

まとめ

中東地域で今も紛争が絶えない原因は第一次世界大戦中にイギリスが行った三枚舌外交です。第二次世界大戦後、パレスチナの地でユダヤ人国家イスラエルが誕生しました。

これに対し、周辺のアラブ諸国は強く反発し、4度の中東戦争が引き起こされます。第四次中東戦争後、アラブの中心国だったエジプトがイスラエルと和平します。

かわって、イスラエルと戦いを繰り広げたのがパレスチナ人組織のPLOでした。

1994年、パレスチナ暫定自治政府が成立しますが、中東和平の切り札とはなりません。

2020年8月、イスラエルとUAEが国交正常化を表明しますが、これはあくまでも対イランを想定した協調に過ぎないからです。この国交正常化が中東和平の第一歩となるか、それとも逆に動乱の原因となるかは今後の様子を注視する必要があります。

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元予備校講師X
執筆者:元予備校講師X
社会科講師歴10年以上の元予備校講師。 学習塾での講師経験を含めると15年以上、社会科講師として教壇に立っていました。 現在はニュース解説記事などを書いてWeb上にアップしています。 目下の関心事はアメリカ大統領選挙とコロナショックが世界経済にどのよう影響を与えるかです。