陰謀論に騙されるな。米議会も乗り出した陰謀論対策

Qアノンという名前を聞いた事はあるでしょうか?
単刀直入にいうと、「陰謀論を唱えている組織」の事なのですが、最近Facebook社がQアノンに関係するアカウントを停止するという措置を行いました。
Facebook社からの声明(英語)
上記URLは英語ですが、アカウントの停止理由を要約すると、
組織化された暴力的行為・社会運動を広めない為
としています。
Qアノンはどのような思想を持ち、活動を行ってきたのか?
Qアノンは異常なまでのトランプ大統領支持者として知られています。
具体的にQアノンの何が問題なのかを見ていきたいと思います。
Qアノンは以下のような思想を持ち・行動を行ってきました。
- 前アメリカ大統領選挙の立候補者であった、ヒラリー・クリントン氏がピザレストランの地下室で児童買春組織を運営している
→2016年には、これを信じた者がピザ屋の中でライフルを発砲する事件が発生。 - ドイツのアンゲラ ・メルケル首相はアドルフ・ヒトラーの孫娘である
- 新型コロナの治療法は工業用漂白剤を飲めばいい
- ジョン・F・ケネディの息子は実はまだ生きている。今度の大統領選で彼はトランプ氏の応援に駆けつける。
(ジョン・F・ケネディの息子は1999年に飛行機事故で死亡しています。) - セメント工場に侵入し、「ここが児童人身売買キャンプだ」とライブストリーミング。
その後、敷地内の一部を占領したりして不法侵入の罪で逮捕。 - とあるマフィアが闇の組織の一員だと信じ込み、マフィアを射殺。
- SNSにてジョーバイデンを脅迫。
その後ライブストリーミングを行っている際に不審者として通報される。複数のナイフを所持しており、逮捕。 - 新型コロナウィルスはビルゲイツをはじめとしたエリート達が仕組んだ事だ。
- ソーシャルディスタンスはCIAが編み出した拷問手法だ。
などなど、まともな頭を持っている人であれば、一体何を言っているんだ・・と思うような内容なのですが、これを信じる人が急増した事から、各ソーシャルメディアはQアノンに関するグループを制限する行動に移したのです。
SNSメディアのみならず、米議会もQアノンに対して反応
Qアノンはネットを利用して、様々な非確定情報を流布しています。
1人、また1人と洗脳される人が増えていき、暴動の驚異に繋がってきた事から米議会はQアノンの非難決議案を提出。
2020年10月2日には米下院で可決しました。
どのような内容かというと、
- Qアノン陰謀論と、陰謀論を拡散して器物損壊や法務執行官への攻撃を促進する「その他すべての集団とイデオロギー」を非難
- FBIがこれらのグループの犯罪行為抑止に注力する事の推奨。
- 海外の過激派組織との関係を明らかにする事の推奨。
などが挙げられています。
つまり、分かりやすく言うと、
米国としてQアノンを始めとした陰謀論組織を非難し、過激な行動を起こしかねない輩の逮捕を推奨する
というものですね。
来月に米大統領選も控えている中、トランプ大好きなQアノンが偽情報を拡散したり、妨害工作を行う事を防ぐ目的でも必要な措置だとは思います。
内容によっては人を傷つける陰謀論
暴力的な行動をする人達は問答無用でNGなのですが、人の事を全く考えない陰謀論も時に人を傷つけます。本人達がそれを理解しているのかしていないのかは分かりませんが、陰謀論について調べている際に以下のような事を主張している方々がいました。
- 最近の芸能人自殺の連鎖は組織的犯行である
- 3.11は人工地震によるものである
- 9.11は米政府によるものである
- 原爆は落とされたのではなく、打ち上げられた
全くもって同意できません。
人が命を落とす出来事に対して、自分の都合のいいように確証なき論説を垂れ流すと行為は深く傷ついている物に対して追い討ちをかける行為です。
陰謀論自体を信じる信じないは勝手ですが、その発言により被害者・関係者への牙となってしまう事は悪ではないのでしょうか。
なぜ陰謀論を信じるのか。陰謀論は無くならないのか。
ここからは極めて私の個人的な考えになります。
今回、急速にQアノンの勢力が増加して問題になった理由としては、まさしく新型コロナによる影響が大きいと思っています。
密なコミュニケーションが規制され、人々の繋がりが薄くなり、孤独な方達が増えたせいかと思うのです。
カルト宗教とかにはまる方達ってそういう方多いでしょう。
例えばオウム真理教の信者達です。
彼らの多くは社会からの疎外感を持っていたり、身近な人たちからの助けがなかった人が多かったと記憶しています。
そういう、心の隙間を狙って彼らはマインドコントロールを仕掛けてきます。
この組織の中では誰もが親切!誰もが私を褒めてくれる!いいねいいねしてくれる!
それを幸福だと感じ、ますます没頭していくのです。
まぁそうですよね、自分を受け入れてくれる、認めてくれる世界にいれば気持ちはいい。
よく理解できます。
しかし、その世界に浸かれば浸かるほど、思考能力は著しく失われていきます。
インターネットが一般的なレベルに普及して約20年。
数多くの情報が溢れる中、我々に求められるのは自身の正常な思考能力と、正しい情報の取捨選択能力です。